2016年05月29日

ゴーヤへの大きな期待値を知って

 大きな期待を込めてゴーヤの苗を植えました。夏の日差しを遮るため、濃い葉影をつくるゴーヤのグリーンカーテンは、今やあちこちで見られる夏の風物詩。高温の夏のクールダウンと省エネのための備えであり、エコライフの象徴にもなっています。それに、ニガウリとも呼ばれる苦味の強い青い実は、ビタミンCやたんぱく質が豊富で夏バテに効くため、多目的で魅力的でもあります。初めは敬遠していた苦みであるのに、いつの間にか、沖縄料理のゴーヤチャンプルは、家庭の定番メニューにとなっているようです。この苦みゆえに大好物という人も多いから不思議です。ところで、青い未熟な実は野菜ですが、完熟して黄変しふくらんだ実の中の種の周りのジェリー状のものが甘味だということを今日までしりませんでした。それもそのはずです。青い実を好むからです。でも、小鳥たちは、この甘さになる時期をじっと待ってゴーヤを食べて、糞の中の種を運んで、生態系の循環に寄与することになるのです。さて今夏は、この苗からの実が完熟した味に挑戦してみたいと思っています。
  


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2016年04月25日

滋賀サイエンスカフェ2016開催のお知らせ

滋賀サイエンスカフェ2016を 次のように開催いたします。コーヒー片手にサイエンス。今年で、参加者のみなさまからの好評をえて、3年目となりました。どうぞ、ふるってご参加ください。【タイトル】花の中のカレンダー ~植物が季節を知るしくみ~【講師】工藤  洋 氏 (京都大学生態学研究センター教授) 【日時】2016年6月4日(土)14:00~16:00 【会場】 大津市生涯学習センター4F 視聴覚教室 【参加費】 無料 【募集人数】 40名(先着順) 【申し込み】メールで  【お問い合わせ・お申込み】 E-mail: moushikomi@shiga-sciencecafe.jp  URL: http//shiga-sciencecafe.jp/  【 主催】滋賀サイエンスカフェ実行委員会  


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2016年03月31日

春がきました

今日、3月31日になって、どうやら桜もゆっくり2分~3部ほど開花しました。固い桜の蕾がひとつほころんで喜んだのは、もう10日程前の事。この間、花冷えといわれるような寒のもどりで、早朝には霜が見られるほどの寒のもどりにびっくりしました。1月から3月までの日々が、無意識にもあっけなく通り過ぎてしまうのも例年のこと。それでも、年齢のせいでしょうか、とても春が待ち遠しくなってきました。しかし、暖冬傾向といわれながら、今年の春は、まるで人をじらせるように、ゆっくりと桜を咲かせつつ北上していくのです。それでも、3月14日に北海道の海でも流氷が遠ざかったため、早くも春の象徴とされて「海明け」が宣言されたとのニュースが聞かれました。さて、ここ琵琶湖では、春先になると、周辺の山から雪解け水などの冷たい水が湖底に流れ込むため、酸素濃度の違う琵琶湖の表層水と湖底の水が完全に混ざり合う「全循環」という現象が起こります。これは「琵琶湖の深呼吸」といわれ春の兆しのひとつなのですが、地球温暖化の影響で、この深呼吸が起こりにくいとこのところ心配されてきましたが、数日まえに深呼吸の確認されたとのニュースがありました。湖の中から、近江の国は春となるみたいです。小学校唱歌の「春の小川」にあるように、暖かくなると川の水は粘度が小さくなるため、さらさらと流れます。水は、いち早く春を受け入れ、時間を押して春の海へと流れます。
  


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2016年02月19日

生活防災とエコ

本年1月にオープンしたばかりの滋賀県危機管理センターで、2月11日に防災スペシャルNHK公開放送「いざめし~生活防災とは」が行われた。初めて聞いた「生活防災」とは、「ふだんとまさか」、普段と災害時の生活をつなげる意識と知識をもつことでが防災・減災になることを示している新語だと、冒頭に説明があった。番組では、具体的な生活防災の取り組みの事例が紹介され、視聴者はクイズに参加しながら気楽な雰囲気の中で防災について学ぶことができ、興味深かった。タイトルの「いざめし」は、非常時の食事のことだが、非常時には、食事がとても重要になるため、普段からいざめしの知恵を知っておけば役立つことも分かった。何が調理器具の代用品となるか、どんな材料をおかずにできるか。何が燃えるか。「かまどベンチ」のアイデアまで。そして、生活防災で大切なことは、楽しく備えることと 地域とのつながりをつくることだそうだ。成功した地域では、あいさつの推奨、ウォーキングによる体力づくり、子どもとの共同の場づくりに力をいれたという。この番組を見て、備えの知恵の素晴らしさや工夫に驚き、防災の意識を啓発された人も多かったと思う。ところで、「いざ」という時の食糧や水の有効利用、燃料や水の節約と効率化、使いまわしや裏技、手作りや自然志向。これらの防災教育のポイントは、エコライフの主張と同じだし、エネルギーが乏しい状況下とエネルギーを終わらせられないという意識が違うことと、低炭素社会というカテゴリーにあてはめるかどうかの違いはあるかもしれないが、とにかく、エコなのである。  


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2016年01月29日

1/29 高浜原発3号機再稼働・・良否を鑑みずか?

1月29日夕刻、高浜原発3号機再稼働のニュースを、実に複雑な気持ちで受け止めていた。本来ならば、全廃のはずで再稼働などありうるはずもない。しかし、いつの間にかなし崩し再稼働の国や関電へのいきどおりには、正直にいうと、本当のところがすっきりわからない自分の不甲斐なさといい加減さへの自覚が混在している。原発の安全基準のこと、原発周辺地域の人々の生活や思いなども含めて、意外に多くの人が判断できないのではないだろうか。まして、いったいどうなってプルサーマル発電を始めて使用するなどとは、驚きのなにものでもない。確実なことは、三日月知事のコメントにあるように、再稼働を容認できる環境ではないことである。ただ、滋賀県では先に発表された「しが新エネルギービジョン~原発に依存しない新エネルギー社会づくり」の構想と、再稼働の現実とのずれは否めない。にもかかわらず、再稼働に先だって関電との安全協定締結とは、容認する姿勢ではないかと疑問があった。それ対する県の考えは、原発は、たとえ稼働していなくても、現にそこに存在する以上(使用済核燃料が保管されているなど)リスクはあることから、県としては、そのリスクを低減させるためのツールの一つとして、原子力安全協定を締結したが、再稼働を容認ではない、県民のための防護体制だとのこと。では、思いこみは、何だったのだろう。原発は、安全だと信じ、危険とわかった、でも、危険と分かって安全を信じてみる、だが、危険に備えよう、というのだ。しかし、もしも逃げられない程の事故で50キロ圏以上に放射能が広がって、琵琶湖の水が大丈夫という保証はないが、大丈夫だろうか。国も私たちも、実は慎重なのか、愚鈍なのか。
 さて、3号機4号機の再稼働で早ければ4月からの電気料金が値下げされるという。電力自由化で安価にまけないようにと仕組まれたとは考えたくない。私は、ケチ派なのか、ひどく余裕派なのだろうか。
  


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2016年01月15日

滋賀発「原発に依存しない新しいエネルギー社会のビジョン」に思う

滋賀県の地域型再生可能エネルギー振興計画として、新しいエネルギー社会の実現にむけた「しがエネルギービジョン」が策定される懇話会が、1月14日に開かれ、傍聴をしました。この会議では、知事はじめ、行政、研究機関、大学、関連団体や代表企業からのメンバーが、「原発に依存しないあららしい社会の創造」を中心としたビジョンをかかげ、昨年のCOP21でのパリ協定締結による国の方針や電気自由化を直前にした現状を踏まえた上で、民・産・学・官が、連携して本気で取り組んでいくことが話あわれました。、滋賀県でなければできないエネルギー施策とその推進にむけて、理念だけではなく重点をおいて取り組まれていく8つのプロジェクトと課題も盛り込まれ、もちろん、エネルギー教育や琵琶湖と水をいかすエネルギー創生、省エネと節電の推進なども網羅されています。「すばらしビジョンだが、推進が大変だ」との声も聞こえつつも、誰もが納得満足するビジョンが策定されたと思います。
 さて、日進月歩の技術開発によれば、またたく間に次々と地域型の新エネルギーは創られ、市民に大切に使われて、その技術や体制ができるのも夢ではないと思えますしかし、現実には電力自由化では、電気を選ぶ選択の自由と権利をやっと得たからといって安い電気の節電を忘れてしまいかねない。さらに、原油と他のエネルギー源が価格のみの比較で左右されると、環境はどうなるかも懸念されるはずです。今となっては、むしろ安全で安定したエネルギーの供給ラインにこそ信頼を置くべきなのに、欲がからむと誰もが分からなそうではないか。万人が安心して暮らせる未来社会にむけて、これからのエネルギーこそ大量生産・大量消費・大量廃棄を防ぐ必要があると、私は考えています。だから、このしがビジョンの推進をきっかけに、滋賀では、是非ともエネルギーこそ3Rの社会づくりを推進してほしいと思っています。
  


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2016年01月05日

2016 謹賀新年♡

明けましておめでとうございます。未来の地球が私たちにかかっているとは、なんと素敵なことでしょう。サイエンスのあれこれを知り学び、共に賢い環境市民をめざしましょう。本年もどうぞよろしくお願いいたします。  


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2015年12月13日

大津市の気候変動の地元学・ワークショップに参加

パリでCOP21が開催される中、12月9日に大津市で開かれた「気候変動の地元学」のワークショップに参加した。これは、地域での気候変動影響事例をあげて、どのような適応策がその地域でとりくまれているのかの調査をし、私たちに何ができるかを考え話し合うもの。IPCC第5次評価書の報告をえて、地球温暖化は避けられないことからも、温室効果ガス排出削減策(緩和策)と同時に気候変動にどう対応していくか(適応策)に取り組むため、住民の主体性と連携を学ぶことも目的である。そもそも、私は、先進国と開発途上国との間で論議が続いている国連気候変動枠組条約では、南北問題そのものではないかと感じていたし、京都議定書のCDM排出権取引にいまだ納得できない。それに、国の緩和策である地球温暖化防止策は、外交・産業・経済中心で国益のための政策ではないか、あるいは、結果がそうなっているではないか。ここで、ますます地域単位で異常気象が頻繁に起こり、気候変動への不安も広がっている。そこで、国がすすめる適応策は、国交省と農水省を優先として地域重視に取り組む計画だそうで、この重要な対応策の話で、地球温暖化防止政策への不信が少し払拭された。しかし、「気候変動の影響を改善するための緩和策と適応策」と並べることや、両策の予算配分の議論は必要とは思えないし、緩和策そのものは、すでに気候変動を受け入れて消極的な印象で、むしろ命を守る防災や健康被害への備えや、地域協働・住民主体のまちづくりと重なる。「地元学」は、むしろ地域づくりの延長と思えて違和感はない。さて、次回のワークショップは、2月。今回の参加者からの事例調査票の集計をもとに、大津市のより良い適応策について話し合うことになっている。  


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2015年11月21日

環境ゲームを体験して知ることとは?!

今月受けた研修に、ちょっと変わった楽しいゲームがありました。ひとつは、グループ活動などの際「アイスブレーク」に使うと効果があるという「間違い探し」というゲーム。6名程のグループのメンバーに鳥が描かれたシートが配られ、その途端に、「スズメだ」の声があがりました。ゲームは、10分ほどグループ内で話し合って、そのイラストの中の「スズメ」でない間違いを見つけるのです。正解は、くちばし、尾、胸の毛、頬の色、脚の指の位置など、鷲や鷹、ツバメなどの部分を使って合成しています。全問正解のグループがあったものの、「意外に知らないものだ」「いい加減に記憶している」と大人心もくすぐられて、爆笑苦笑ながら雰囲気が和みました。その時ふと思ったのは、違った鳥の部位の寄せ集めにもかかわらず、何故スズメに見えるのだろうか、ということです。もうひとつは、森の中で体験した「宝物さがし」という子ども対象のネイチャーゲーム。ごく身近な雑貨品、タワシ・鉛筆・人形・鍵・ボール・木べらなど、色も素材もさまざまな物体が、雑草や樹木の枝や葉の中にあらかじめ隠されていて、それをグループで時間内にいくつ見つけられるかを競って楽しむ体験型のゲームです。人工的なものなら簡単だろうと思いきや、これもなかなか難しく次第にグループに笑いの輪と和がひろがってきました。結果として、隠し方というよりも、物の色・形・自然素材かプラスチックなのかが見つけにくさになることがわかります。これは、自然の中では、ライチョウやバッタやナナフシが天敵から身を守ために、周囲に合せた姿となる生物の擬態とおなじことと学習もできます。この時には、なんと簡単に形や色に化かされるのだろうかと思いました。この2つのゲームを通じて、意識に刷り込まれるイメージやヒトの錯覚とか思いこみに潜む不思議さと面白さを改めて実感したのです。(MJ)
  


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2015年10月31日

長浜ビジネスメッセ2015で考えた「エコと環境」について

少し前のこと、長浜ビジネスメッセに出かけました。このメッセは、毎年秋に滋賀県で、環境保全と環境ビジネスの推進と振興をめざして開催され、一般の環境市民にとっても興味深い最先端の環境技術開発と環境の話題に気楽にふれることができるイベントです。会場の長浜ドームの中には、いつも環境と経済の両輪を一気にまわそうという、熱気と意欲にあふれています。開発途上の技術の展示の中には、私のような一般人にとって、科学的な解説に違和感が伴うものもあるのですが、いい加減でまやかし的アピールでないからこそと受け取り、何より次第に環境意識の向上とCSRの定着が現れているからと考えられ、こんな大変な時代ながらも、企業の目標軸の中には、環境対応が根付いてきたのだと嬉しく思えるのです。会場の中では、エネルギー関連、水環境関連、啓発関連などのブースをぐるぐると見てまわり、頭の中は、わくわくと疑問でいっぱいになりました。たとえば、トヨタの燃料電池車の新車の展示を見ながら、「水素自動車と燃料電池車の違いは何?」「高圧水素ボンベを見せて11 発生した水はどこに溜まっている?バックに排気(水)筒がない!!」「水素と酸素を工業的に製造するのに、相当エネルギー消費とCO2を排出するはずだ。LSAの議論はどうしてないの?」「それにしても、燃料電池車の蓄電システムはすごい!!で、「この高額エコは、一部の選ばれた人の「エゴ」のためではないか?」それにしても、水素一辺倒には賛成できない。現在のエコは、輸入成形品と高エネルギー消費に依存しているのですから、理論と啓発による地産地消型エコビジネスは実用性が乏しいのでは?未来型と言われるはずだ!!、、などなど。消極的な疑問で恐縮です。さて、今回のメッセで一番心に残ったのは、「これからの環境の目標は、『ユニバーサルとエコ』デザイン」というキャッチ。すべての人のための環境と暮らしを考えようという、目からうろこのメッセージでした。(MJ)  


Posted by 滋賀サイエンスカフェ at 21:01